STATEMENT

 

 

 

I’m strongly attracted to the energy of life

that cannot be explained in words

nor convinced through reason.

 

Every life in the world

has these curious elements deep within.

 

Something organic, energetic, powerful -

these are the things that I want to express through my art

and that I want to cherish in my life.

 

 

 

 

 

人は、理性と本能の間で、さまざまな欲望に突き動かされ、

葛藤を繰り返しながら生きていく。

 

不完全であるが故に、失敗を重ね、

衝突と共鳴を繰り返していく。

 

私は、そんな人間という存在を、愛おしく思う。

 

そして、命の奥底に存在する「生きる」ことの原動力となるもの、

目には見えない「何か」を、作品を通して表現したい。

 

国境や時代を越えても、変わらず人間の根底に在り続ける

生命力そのものを

世の中へ発信していきたいと思う。

 

 

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木を主な素材として用い、そこに描かれた線を彫刻刀で彫り起こしていくことで作品を創っている。

 

これは、日本の伝統芸術である木版画制作に使われる「版木」の凹凸の美しさに着目し、版木そのものを芸術として展開しようと始めた技法である。

 

私にとって、木を彫ることは自身に内在する不要なものを削ぎ落すことであり、また描線を浮き彫りにするという行為は、木と自分自身の燃える命を具象化することそのものである。

 

 

 

 

 

この世のすべてのものは、循環する

 

ひとつの細胞が、さまざまな形に姿を変え、この世界を形成するように

ひとつの魂も、この身体から解き放たれたとき、どこかで存在し続けていくのだろうか

それは、今の私には分からない

 

今、私が願うことは

自身の表現を以て、自己の感受性で得たものが、この世の循環の一部分となることだ

 

ひとりの人間の中の感性は、あらゆる表現を巡って

またある人間の中に入り込み、この世を彩っていく

 

感性の循環の先にあるもの

 

いつかはこの世からいなくなり、それが見られなくなる時が来ても

今は、伝えることの積み重なりを、あらゆる循環を楽しむことを、

大切にしていきたいと思う。

 

 

2016年個展 "Circulation" ステートメントより